No.19 クロヒラアジがとれました
クロヒラアジが2013年11月17日、秋田県潟上市天王の秋田県漁協天王支所で確認された。地元の漁業者が、水深12m程度の小型定置網で水揚げした中に入ったものだ。一緒に入ったのは、マアジのほか、メバル類、クロソイ、ブリ、スズキ、サワラ、マダイ、イシダイ、マサバ、シログチ、キジハタ、ケムシカジカ、カナガシラ、ヒラメ、ショウサイフグなどで、クロヒラアジはその中の1尾であった(図1)。
この個体は、全長417mm、体長329mm、体重535gで、第2背鰭33本、背鰭22本だった。しかし残念ながらこの写真のとおり、第1背鰭の棘は埋没していたことに気づかずにいた(図2)。ぜひ、図鑑などから、この魚の全体を見て欲しいと思う。
クロヒラアジは、体高が高く、尾鰭の外縁が黒色、胸鰭は長く、体側に6本前後の薄い縞があるなどの特徴がある。分布は南日本、西太平洋、インド洋に分布とされているが(阿部,1987)、本州日本海側では山口県に2002年10月に記録がある程度で(小林ほか,2006)、秋田県で実際に確認されたのは今回が初めてだと思う。
なお、今回の漁獲魚の中にキジハタがいた。キジハタは秋田県沿岸の各地でも最近40cm程度のものをよく見かけるようになったが、逆に、今回のように全長182mm、体長148mmの小型個体が漁獲物の中に入ることは珍しい(図3)。
市場に行くと、何が入っているか分からないだけに、本当に面白い。これも、漁業者が漁獲しているからであり、厚く感謝する次第だ。
図1 天王支所の漁獲風景
図2 天王支所でのクロヒラアジ 全長417mm、体長329mm
図3 天王支所でのキジハタ 全長182mm、体長148mm