秋田の水生生物
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ニホンイモリ(アカハライモリ)
Cynops pyrrhogaster
準絶滅危惧種(環境省 2012)

 世界のイモリ属の中でもっとも北に分布する日本固有種です。水田や池、小川などに生息します。体色は背中側は黒く、腹が赤いのが特徴で、腹部の黒班で個体識別が可能なようです。求愛行動や体の色が生息する地域ごとに異なっています。最近の遺伝子の研究から、東北・中部・西日本・九州の4集団に分けられています。全国的に減少傾向にあるため、環境省のレッドリスト(2012)で準絶滅危惧種に選定されています。
 左図は、由利本荘市東由利のため池に生息する個体群でオスとメスの頭胴長と尾長の関係を比較したものです。図を見ても分かるように、オスとメスでは、尾の長さが異なっているようです。

データは、2014年8月29日に調査を行った際に測定したものです。
クロサンショウウオ Hynobius nigrescens
準絶滅危惧種(環境省 2012)

 東日本の山地に広く分布する、止水性のサンショウウオです。トウホクサンショウウオとは、尾が長いことや尾の先端が扁平することで見分けることができます。サンショウウオの仲間では、まだエラのある幼生の時期にごく普通に共食いをすることが知られています。ある報告では、サンショウウオは血縁関係を認識しており、兄弟を食べることを避けていることが示されました。
 卵からふ化した幼生にはエラがあり、1年間水の中で生活します。そして、2年目にようやく陸上生活を始めます。
トウホクサンショウウオ Hynobius lichenatus
準絶滅危惧種(環境省 2012)

 東日本の丘陵地から山地にかけて広く分布します。小さな渓流や水田の溝、池の流入口などの緩やかな流れに生息します。産卵期は、ふつう3月〜6月で、山間の止水で行われるが、湧き水が流れ込むゆるい流れのある浅い池などに、無色透明の太いひも状の卵嚢を産みます。
 クロサンショウウオに比べて、尾が短くて全長の半分に達せず、肢も短いのが特徴です。
キタオウシュウサンショウウオ
Onychodactylus nipponoborealis

 ハコネサンショウウオとされていましたが、2012年に地域的な形態の差異から東北地方の個体群が、新たに分類されました。東北地方北部の山地森林に分布します。繁殖期は、ふつう4月〜8月で、渓流源流部の石の下や伏流水中の暗い場所に産卵します。背面は暗褐色です。クロサンショウウオやトウホクサンショウウオと異なり、爪を持つことや、尾が全長の半分以上の長さになっていること、肺を持たないことなどが特徴です。
カエル類  イモリ・サンショウウオ類

両生類 〜イモリ・サンショウウオ(有尾)類

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