ハタハタをどうしても食べたくて、購入した。しかし、この文章を書いた直後の11月28日、船川地区で「季節ハタハタ」が漁獲された。季節ハタハタは沿岸の「はたはた小型定置網漁業」で漁獲されるものであり、沖合で漁獲されるのは「底びき網漁業」だ。今回のものは11月27日に底びき網漁業で漁獲され、秋田市内の大型スーパーで購入したもの2パックだ(表1、写真1)。
表1 男鹿産はたはた(オス・メス込み)
このパックはそれぞれ4尾で、単価は同じだが、正味量が若干違うので値段もわずかに違う。この店では、抱卵で100g当たり160円程度の大型のものがあったが、私が購入したのは単価が98円/100gと安い方を買った。それでも、サイズはそれほど小さいとは感じなかった。1尾当たりの値段は60円程度で、きわめて当たり前の価格と感じた。
鮮度のよい旬の魚を地元で買える、ということの幸せ。しかも、神の魚を安い値段で、いくらでも買うことができる、という幸せ。
さて、その魚はすべて塩焼きにした。最初に2尾(写真2)の雌雄を丁寧に食べた。少々焼きすぎであったが、間違いなくこの時期のハタハタだ。続いて、4尾を一挙に食べた(写真3)。この魚を好きなだけ食べることの幸せ。それは、ハタハタだけが持っている味覚であり、それには、さまざまな子供の頃の思い出や背景があるからだ。
これからは「季節ハタハタ」だ。しょっつるであり、はたはたずしであり、まさにハタハタの時期だ。我々がこのハタハタを食べることができるのは、漁業者があり、漁協や関係者があってこそのことだ。さあ
、秋田のハタハタをたくさん食べよう。
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